上原美智子さんは、1949年に沖縄県那覇市で生まれました。東京の玉川学園女子短期大学に在学中、日本民藝館を通じて沖縄の伝統的な染色や焼き物に触れ、沖縄に関する知識の不足を痛感します。21歳の時、柳悦博氏に師事し、約2年半にわたり染織を学びました。柳氏は弟子をほとんど取らないことで有名でしたが、上原さんが沖縄出身だと知り、特別に弟子として迎え入れられました。 その後、沖縄に戻り、第二次世界大戦の影響で衰退していた沖縄の染織技術を復興するため、紅型染の城間栄喜さんや芭蕉布の平良敏子さんと共に尽力した大城志津子さんから沖縄の伝統的な織物技法を学びました。そして、1979年には南風原町に「まゆ織工房」を設立し、独自の織物制作を始めました。 上原さんは自然素材に惹かれ、特に蚕が吐き出す非常に細い糸(髪の毛よりも細い3デニールの糸)を使って、極めて繊細な絹布を生み出しました。その作品は、「あけずば織」と名付けられ、沖縄の蜻蛉の羽のように軽やかで透明感のある手触りを持ちます。この織物は、軽さと美しい光沢を特徴としており、「天女の羽衣」とも称されています。 上原さんは個展やグループ展を多数開催しており、あけずば織を用いた着物やショールなどの作品は、国内外で高く評価されています。彼女が心血を注いで創作する織物作品は、世界的にも注目される存在となっています。 略歴 1949年 沖縄県那覇市生まれ 1971年 柳悦博氏(東京)に師事 1974年 大城志津子氏(沖縄)に織物技法を学ぶ 1979年 まゆ織工房設立 1986年 グループ展「アートフォーラム(ぬぬぬ会)」 1990年 「インターナショナルテキスタイルデザインコンテスト」イゲド賞、ファッション振興財団賞 1991年 個展(スタジオ5西武百貨店・東京都) 1996年 「染織α/185号」に掲載 1998年 グループ展「朝日クラフト展」(阪急百貨店/大阪府)に招待出品 1998年 「現代日本染織展」図録(ニューヨーク近代美術館/アメリカ)に掲載 1999年 個展(ギャラリー藍ぜん/岡山県) 2000年 グループ展「現代日本染織展」(MoMA/アメリカ)開催・東京近代美術館工芸館 永久コレクション 2001年 雑誌「婦人公論」7月号(中央公論新社)に掲載・個展 佐喜間美術館/沖縄 2005年 グループ展「非常のオブジェ~現代工芸の11人展」(東京国立近代美術館工芸館/東京都) 2006年 個展「上原美智子織物展」(ヨーガンレール本社)、あけずば織のショール約50点展示販売 2013年 グループ展「第5回 吉左衛門X」/佐川美術館 2017年 グループ展「交わるいと(あいだ)をひらく術として展」/広島市現代美術館
画像の着物・帯は弊社で過去に買取したものです。
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