添田敏子

福岡県春日市に工房を構え、ひたむきに生きる四季の草花の命を見つめて、型絵染めの作品に精巧かつ優美に表現される、釜我敏子さん。型絵染の技法を使って自然の中にある草花をモチーフに、女性らしく優しさのあふれる、そしてハイセンスで美しい作品を数多く世に出され、高い人気を誇る型染染織工芸作家です。
1938年、福岡県に生まれ、福岡高校卒業後、30歳の頃に木版摺更紗の故・鈴田照次先生の作品に出会い、型絵染めの基礎を学ばれた後に独学で技術を高められ、さらに長板中形の松原四兄弟の元で糊置きの技術を研鑽されました。
お母様の後押しもあって、仕事場を作り、作品作りに励み、1976年に第23回日本伝統工芸展に初出展し、見事入選を果たされました。1979年第26回工芸展に出展した「からす麦」で、結果5年連続入選を果たし、日本工芸会正会員に認定されました。
作家活動を始められてからは、型作りから染めまでの全ての工程を一人で取り組まれています。
 「忘れな草」「あざみ」「風船かずら」「水仙」「なでしこ」「すいかずら」など、切り花として売られる花ではなく、地に根を生やし、環境に順応しつつ、つつましく、でも自分を失わず、雑草の合間にも逞しく凛と咲く野の花を描かれています。その花の存在感と生命力の輝きを見て、自分が感動した自然の中で咲くタンポポやハマエンドウなどの野の花を、意匠化して、着物や帯という限られた空間の中に息づかせ、野の花が生きた証を丁寧に細かく彫り込み、野の花がそこに息づいているかのようにデザインされ、彫り込まれ、染め上げられた着物や帯は、釜我さんの手を通して、また新たな生命を注ぎ込まれ、活き活きと着物や帯に生まれ変わります。
どんな小さな草花でも瞬間、瞬間に命の輝きが見え、その光が自分の心に飛び込んで来た時、心が突き動かされた時に初めて物づくりをすることを鉄則とすることで、作った着物を見ているとその年に自分になにがあり、どのように生きたかが見えてくるといいます。 
決して妥協で物を作ることはなく、型作りから染めまで一人でやり遂げる。
和紙を貼り合わせた渋紙に独自の世界観をあらわした模様を彫り、布地という限られた空間に防染糊を置き、染料を使って染める「型絵染」。
型絵染は、デッサンから型紙制作のためのデザイン、型彫り、糊置き、染めといった複雑な工程をひとりで行います。
お気に入りの野の花を見つけ、デザインの基礎となるスケッチを描き、図案は墨絵で描くことで、型の美しさを出すことに注力しています。
さらに、全体の色の配色を決めた後、それを個別に細分化し、型紙の置き方と一緒に個々の色を決めていくという工程を経て、釜我さん独自の野の花の生命力を表現している型絵染の世界が築き上げられます。
草花を丹念に図案化し、柔らかな階調の色彩で染め上げた作品は優雅で格調高いものになります。
不自由に感じるこの世界で作り上げる一連の作品には、小さな野の花がひたすら懸命に生き続ける姿が描かれ、その命の尊さや趣があります。
染色家の美しい感性によってデザインされた草花の図案に染め描き尽くされた作品、それは、まるで染色家が眼にしたその時の心象風景が、そのまま作品に表現されているかのように感じます。

1970年西部伝統工芸展に初出品で入選し、奨励賞受賞されました。1976年に日本伝統工芸展に入選し、1979年日本工芸会の正会員に認定されました。1994年には東京国立近代美術館「現代の型染展」で日本を代表する25人に選出され、2007年に日本工芸会奨励賞、2012年朝日新聞社賞を受賞、さらに東京国立近代美術館や大英博物館、九州国立博物館などが主催する展覧会へ出品し、2011年に福岡アジア美術館で個展「釜我敏子の世界展」を開催、2014年には福岡県文化賞(創作部門)を受賞するなど、多数の受賞歴があります。
このほか、九州産業大学芸術学部や香蘭女子短期大学などで講師、日本工芸会西部支部の常任理事などの役職を長年務められ、現在は公益法人福岡県美術協会理事となり、型染だけではなく地元の博多織などの研究も進め、長年型染めの指導にも励み、門下から多くの作家を生みだしておられます。

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